「ビルメンテナンス(ビルメン)」という仕事に興味はあるけれど、未経験から飛び込むのは不安……。そう思っている方は多いはずです。
かつて私も、皆さんと同じ場所に立っていました。
工具の名前すら知らず、現場で怒られ、宿直のプレッシャーで眠れない夜を過ごしました。
しかし、2年半経った今、私は胸を張って「この仕事を選んでよかった」と言えます。
この記事では、私が入社してからの2年半、
どのように過ごしてきたかと自身の経験を踏まえたアドバイス
をお伝えします。
これからこの業界を目指すあなたの参考に少しでもなれば幸いです。
【入社~3カ月】「暗黒の修行期間」
入社したての3カ月は、未経験者にとって正直に言って一番きつい時期かもしれません。
なぜなら、知らないことが多すぎて、周りが何を言っているのか全く分からないからです。
現場の洗礼:工具名と専門用語の嵐
現場に出たばかりの頃、私を一番悩ませたのは「工具の名前・専門用語がわからないこと」でした。
特にモンキーレンチ、スパナ、六角レンチ、イギリスレンチなどは、初心者から見ればどれも似たような鉄の塊に見えます。
「これだったかな?」と思って自信満々に持っていった工具が別物で、何回も現場と事務所を往復するのは日常茶飯事でした
さらに追い打ちをかけるのが、ビルメン業界特有の専門用語の嵐です。
「バタフライ弁が~」「玉フレキの近くの~」「圧着ソケットでとりあえず~」……。
日常生活ではまず耳にしない呪文のような言葉が飛び交う中、自分はなにもできずにいるだけしかできない・・・。
そんな無力感に襲われる日々でした。
アドバイス①:メモ魔になる
私が最初に意識していたのは、「わからない用語が出たら、その場ですぐにスマホか紙にメモし、後で調べる」ということでした。
現場で先輩が忙しくしている最中に、質問するのは勇気がいりますし、人によっては「それくらい自分で調べろ」と怒られてしまいます。
だからこそ、耳慣れない言葉を聞いたら、なんでもよいのでとりあえずメモしましょう。
そして、休憩時間や帰宅後の少しの時間を使って、ネットで検索したり、入門書を開いたりしてゆっくり調べましょう。
正直、調べても最初はまったく意味がわかりませんでした。
ただ、何度も「あれ、前も聞いたことあるけどなんだっけ?」と調べていくうちにあんなに難解だった現場の会話が、少しずつ意味のある「言葉」として頭に入ってくるようになりました。
アドバイス②:できることは率先してやる
また、技術がない時期は、以下のような「誰にでもできること」を率先して行いました。
- 荷物持ちや準備・片付けを積極的にする
- 電話が鳴ったら先輩より先に取り、要件を聞く
- 作業をよく見て、次に使いそうな工具をすぐ渡せるようにしておく
こうした姿勢を見せることで、「あいつは知識はないが、やる気はあるな」と可愛がってもらえるようになります。
ビルメン現場には1人や2人は面倒な人がいるものですが、こうした姿勢があれば、必ず味方になってくれる先輩が現れます。
アドバイス③:この時期に買っておくとよいもの
- 書物: 『絵で学ぶビルメンテナンス入門(改訂2版)』
現場にある機械の役割が図解で学べる、私が最初に購入した本です。 - 自前工具: 会社に備えているものを使用すれば問題ないのですが、以下のセットは使用することがとても多いので、自分で揃えておくとよいと思います。高いものを買う必要はありません。
- プラス・マイナスドライバー
- ペンチ、ニッパー
- ウォーターポンププライヤー
- 絶縁テープ
- ケーブルストリッパー
- 検電器
【3カ月〜6カ月】「自立の芽生え」と「最初の資格」
3カ月を過ぎると、電球交換や単純な消耗品の交換などは一人で任せてもらえるようになりました。
少し難しい作業のときは、先輩にお願いして横で見ていてもらいつつ、
「作業自体は自分でさせてもらう」ようにしていました。
もちろん思うようにいかないこともありましたが、先輩が後ろにいる安心感の中で
「実際に手を動かす」ことが、自信に繋がりました。
また、この時期から設備に関する知識を得たいと思い、調べたところビルメン4点セットの存在を知りました。
とりあえず、1番簡単だといわれる危険物乙4の勉強を始め、無事取得することができました。
アドバイス④:率先して「自分の手を動かす」
自分だけでは不安な作業は、「先輩に横で見てもらいながら、作業自体は自分がやる」という方法がおすすめです。
見るだけなのと、実際に手を動かすのでは、学びの深さが断然違います。
アドバイス⑤:資格の取得
実用性・安全性(電気の危険性について学ぶ)という観点からは、第2種電気工事士を最優先に取得することをおすすめします(工具の名前なども学べます)。
しかし、実際に現場にある設備をみて興味が湧いた分野からスタートするのもよいと思います。
【6カ月〜12カ月】「仕事の楽しさ」と「宿直デビュー」
半年を過ぎると、不具合の状況確認→修理もしくは応急処置→業者手配まで一連の流れができるようになりました。
できなかった作業が徐々にできるようになる道のりは楽しく、さらに先輩にフォローを頼む回数が減っていくので、気持ち的にも楽になっていきます。
一方、このころから「宿直(当直)」をするようになりましたが、一人でいるプレッシャーは想像以上で、最初の1カ月は仮眠時間もほとんど眠れませんでした。
この時期は第2種電気工事士を取得しました。
もし興味があるかたはこちらの記事を参考にしてください。
アドバイス⑤:緊急時の対応をおさえておく
「もし夜中に火災報知器が鳴ったら?」「もし停電したら?」と、不安に感じることは先輩に聞いたり、実際に電気室に行ったりして解消しておくようにしましょう
アドバイス⑥:引き続き資格の勉強をする
ビルメン4点セットの資格の勉強をすすめましょう。
よろしければこちらの記事を参考にしてください。
【1年目〜2年目】「余裕と自己研鑽」
よく発生するトラブルには一通り対処できるようになります。
少しずつではありますが突発的なトラブルの場合でも、これまでの経験から自分の頭で考え、対処ができるようになりました。
宿直にも慣れ、精神的な余裕が生まれたことで、待機時間に資格の勉強をする余裕が出てきたのもこの時期です。
アドバイス⑦:待機時間を資格の勉強に使う
待機時間をネットサーフィンでつぶすのはほどほどにして、資格の勉強に時間を使いましょう。
目標はビルメン4点セットの制覇です!
【3年目〜現在】「まだまだ勉強中」
これまで偉そうなことを書いて大変失礼いたしましたが、
まだまだ私も半人前のビルメンです。
現在、私は入社から2年半。
上の立場の人が抜けたこともあり、副所長として時には現場の状況を把握し、上に意見を伝え、最善の判断を下す役割を担うようになりました。
これまでは「上の判断に従う」のが当たり前でしたが、より「自分で考えたり、調べたり、ほかの人の意見を聞く」などして行動することを意識しています。
また、資格は電験三種の取得を目指して勉強中です。
3科目合格(理論・電力・法規)しているので、来年の3月に合格報告ができるように引き続き頑張ります!
アドバイス⑧:きっと大丈夫
落ちこぼれの私でさえ、2年半でなんとかそれなりになったので、あなたならきっと大丈夫です!
もしビルメンに興味があれば、ぜひ挑戦してみてください!
もしよければ、以下の記事も参考にしてください。
まとめ:一歩ずつ進めば、必ず道は開けます
ビルメンは、自分のペースで着実に成長できる素晴らしい仕事です。
最初の一歩は誰だって不安です。
私も工具の名前すらわからないところからのスタートでした。
でも、わからないことはメモして調べて、目の前の作業や勉強を一歩ずつ進めていけば大丈夫です!
もし少しでも興味があるのなら、勇気を出して一歩踏み出してみてください。
いつか現場で皆さんとお会いできるのを、楽しみにしています。 一緒に、少しずつ勉強していきましょう!





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