ビルメン(設備管理)の仕事に興味を持っているあなたへ。
求人情報やインターネットで調べても、「設備管理」「点検業務」といった言葉が並ぶばかりで、「具体的に、建物のなかで一日中何をチェックしているんだろう?」と、リアルな仕事のイメージが湧かないと悩んでいませんか?
私たちビルメンの仕事は、建物を裏側から支える重要な役割を担っています。
建物を利用する人々が、当たり前に使っている電気、水、空気(空調)といったインフラが滞りなく機能し続けるよう、日々活動しています。
この記事では、「もっと具体的に仕事内容を知りたい!」というあなたの疑問を解消するため、現役ビルメンとして働く私のある日の1日を、時間の流れを追って詳細に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはきっと、ビルメンとして働く自分の姿を鮮明にイメージできるようになっているはずです。
ビルメンの「ある日」:詳細スケジュールと現場の動き
ここでは、建物の安全と快適さを維持するために、私たちが具体的に何を行い、どのように動いているのかを見ていきましょう。
始業前と朝礼:情報の「引き継ぎ」(7:15 – 7:45)
一日の始まりは、何よりも情報の引き継ぎが重要です。
- 7:15 会社到着・始業準備: 業務開始とともに、前日の勤務者が作成した日報を確認します。
特に休み明けの場合は、前日の作業内容、処理しきれなかった未対応案件、そして修理中や経過観察中の設備がないかを重点的にチェックします。
これらの情報を基に、本日のざっくりとしたスケジュールを立てます。
- 7:30 朝礼・業務引継: 前日の当直者が主導し、日報を読み上げ、作業内容の詳細を口頭で補足します。
PCに入力された箇条書きの情報だけでは伝わらない現場の状況や注意すべき点をチーム全体で共有します。
- 7:45 点検準備・役割分担: チーム内で日常点検のルート担当と、依頼対応に備える事業所待機担当を決定します。
この日、私は日常点検を担当することになりました。
午前中のメイン業務:日常点検と「異常の早期発見」(7:45 – 10:30)
日常点検は、ビルメンの仕事で最も基本的な作業になります。
私の事業所では2名がそれぞれ別ルートの日常点検を実施します。
今回は、建物の熱源を支える空調関係の設備のルートでした。
- 7:45 日常点検開始(五感のフル活用): 冷却塔(クーリングタワー)、空冷チラー、外調機(外気を取り込む空調機)、そしてボイラーや吸収式冷温水発生機といった主要設備を巡回します。ポンプやファンの「ゴー」という回転音ではなく、「ガリガリ」「カンカン」といった異音や、配管からの水漏れ、蒸気漏れ、ゲージの指示値異常といった異状の兆候がないかを、目視と聴覚、触覚で確認します。
- 9:30 異常の発見と応急対応: ボイラー室で、蒸気ヘッダーを繋ぐ配管の接続部から、わずかな蒸気漏れを発見しました。
直ちに該当するボイラーを停止させ、必要なバルブを締めて蒸気の流出を止めます。
建物への熱源供給を維持するため、予備のボイラーを迅速に立ち上げました。
ビルメンはこういった異常を早期に発見し、応急対応を行い被害を最小限に抑えることが仕事になります。
週明けに業者に対応を依頼する予定です。
- 10:15 点検終了と薬液補充: 点検ルートが終了。点検中に冷却塔とボイラーの薬液残量が少なくなっていたため、補充しておきます。
待機と監視:ビルの「頭脳」である防災センター(10:30 – 13:30)
日常点検や依頼対応がない時、ビルメンは防災センター(または中央監視室)で待機します。
ここはいわば建物の「頭脳」になります。
- 10:30 待機・監視業務: ほかの人が作業をするため、私は防災センターで待機します。
ここには中央監視システムがあり、各設備の運転状況をリアルタイムで把握できます。
また、火災発生時の防災監視盤などもあり、緊急事態に迅速に対応できるように必ず一人は常駐しています。
私はこの待機時間に資格の勉強をしており、本日も電験三種の過去問を解いていました。
- 11:30 昼休憩(交代制): 防災センターの常駐義務があるため、休憩は交代で入ります。
私の事業所では防災センターに仮眠室が併設されているので、昼食後、リフレッシュのためにベッドで30分程の仮眠をとります。
- 12:30 待機・監視業務: 休憩から戻り、再び防災センターで待機します。
待機時間を使って毎日ノルマにしている、過去問1年分を解くことができました。
このように、ビルメンは待機時間が発生するので有効に使えば効率よく資格を取得することができます。
午後の作業:定期メンテナンスと記録管理(13:30 – 15:45)
午後は、定期的に実施する必要があるメンテナンス作業を行いました。
- 13:30 フィルター清掃・交換(環境維持): 空調のフィルター交換と清掃は、多くの事業所で定期的に行う、ビルメンの代表的な作業の一つです。
私の事業所では3か月に1回の周期で実施しており、空気の質を保つために丁寧に清掃を行います。
- 15:30 事務作業: 作業が完了した箇所の情報(実施日時、清掃/交換の別、作業者など)をPC上の管理システムに入力し、作業履歴の記録を残します。
- 15:45 待機: 終了まで残り1時間となり、特に急ぎでやるべき作業がなかったため、全員で防災センターで待機しました。
終業と引継ぎ:次の日へのバトンタッチ(16:30 – 16:45)
一日の終わりは、次の勤務者へ正確に情報を引き継ぐ大切な時間です。
- 16:30 終礼: 本日の作業内容をチーム全員で振り返ります。
当直者は、次の人に正確に業務を引き継ぐため、作業内容に不明箇所があれば担当者に質問し、詳細に把握します。
特に本日の蒸気漏れ対応のような突発的な案件は、その後の処置についても詳細に共有します。
- 16:45 帰宅: 業務終了。すぐに帰宅します。
【残業について】
基本的に残業はありませんが、毎日日勤者の一人が遅番として1.5時間の残業をします。
なぜなら、テナントさんの業務が終わった17:30以降にならないと騒音などで実施できない作業があるためです。
そのため、安定的に月5~10時間ほどの残業が発生しますが、これは計画的な業務調整であり、突発的な残業は少ないのが特徴です。
まとめ:ビルメンの仕事は「建物を守る専門家」
ビルメンの仕事は、単なる「雑用」ではなく、建物を守り、快適性を維持するための幅広い知識と、冷静な対応力が求められる仕事です。
- 具体的な仕事内容:
- 日常点検による異常の早期発見と応急対応(蒸気漏れ対応など)。
- 設備の薬液補充やフィルター清掃といった定期メンテナンス。
- 防災センターでの監視と緊急対応が主な柱となります。
- この日の1日のまとめ:
- 午前は点検と突発的な対応、午後は計画的な定期作業と記録管理を実施しました。
日によって実施することは変わりますが、午前中は日常点検を行う必要があるため、時間が必要な業務は午後に回すことが多いです。
- 午前は点検と突発的な対応、午後は計画的な定期作業と記録管理を実施しました。
この記事を読んで、ビルメンの仕事内容が具体的にイメージできたなら幸いです。


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