
やった!
ビル天さん、ついにビルメンに受かったわん!

おめでとう!これから建物の平和を守る仲間だね。

でも不安もいっぱいあるわん・・・
募集要項の作業内容に「簡単な修繕」ってあったけど、やっぱり工具は自分で揃えた方がいいわん?

基本的に会社に置いてあるものを使っても大丈夫だよ。
ただ、共用工具は使い込まれてボロボロだったり、誰かが現場に置き忘れて見当たらなかったりすることも多いんだ。

それは困るわん。
いざという時にサッと自分の道具が出せたらカッコいいし、作業もスムーズそうだわん。

その通り。
それに、会社の物品を壊すと気まずい思いをすることもあるから、よく使うものは「マイ工具」として持っておくのがおすすめだよ。
じゃあ、揃えておくといい工具を優先順位の高い順に解説していくね。
【重要度:★★★】初日から揃えておくべき「神器」

まずは使用率が高く、ぜひとも揃えておきたい工具から説明するよ!
1. プラスドライバー(電工用)


これがビルメンの武器の中で一番使用頻度が高いかな。

ドライバーは使ったことあるわん!
ねじを回すときに使うわん!

そうだね。
ほとんどの機械・器具は中身が簡単に触れないように蓋で覆っていたり、動かないように固定されていたりするよ。
現状を確認したり、壊れた箇所を交換するにも、まずはこれがないと始まらないんだ。

ドライバーならなんでもいいの?

ビルメンなら「電工ドライバー」を選ぼう。
軸がプラスチックの被覆で覆われているタイプだね。
もし活線(電気が流れている部分)に軸が触れても、ショートや感電を防いでくれる。

持ち手が鉄の「貫通ドライバー」はどうなの?

叩けるのは便利だけど、電気工事もやるビルメンには危ないから、まずは絶縁性の高い電工用がいいかな。
サイズは「2番」を選べば間違いないよ。
2. マイナスドライバー


ビル天さん、次はマイナスドライバーだわん!
でも、マイナスのネジってほとんど見たことないし、正直これってあんまり使わないんじゃないかと思うわん。

ははは、確かに「ネジを回す」回数だけで言えばプラスの方が多いね。
でも、ビルメンにとってマイナスドライバーは、ネジ回しというより「万能なスキマの救世主」なんだよ。

スキマの救世主?

実は「回す」以外に、こんな使い方をするんだ。
- コンセントの電線を抜くための解除穴に「差し込む」
- 固着して開かなくなった蓋のスキマに差し込んで、テコの原理で「こじ開ける」
- 古いシールの跡や、こびりついた汚れを「削り落とす」

いろんなところで使えるんだわん!

その通り。
ネジを回すだけじゃなくて、スキマを攻めるための道具なんだ!
1本持っておくと、何かと現場での「困った」が解決するよ。
3. ペンチ(175mm〜200mm)


工具の代表格だね。
でも、ビルメンにとってのペンチは単なる「線切り」じゃない。
いわば「素手では不可能な作業をすべて代行する、手の延長」なんだ。

手の延長?かっこいいわん!
具体的にどんな時に使うの?

電気の配線を切るのはもちろんだけど、他にも用途はいっぱいあるよ。
例えば、
- 曲がってしまった金属板を真っ直ぐに修正
- 手では力が入らないようなものをつかんで抜く
- 針金をねじって看板や備品を固定する

なるほど!「掴む・回す・切る・曲げる」がこれ1本でできるんだわん。

サイズはどれくらいがいいのかな?

一般的な175mmか、少し大きめの200mmがおすすめ。
200mm(8インチ)サイズだと、テコの原理で硬い針金や太い紐も軽い力で切断できるし、力を込めて物を掴むときも安定するんだ。
4. ウォーターポンププライヤー(アンギラ・カラス)


これを腰に下げていると「あ、設備屋だな」って感じが出るね。

恐竜の口みたいな形だわん!

通称「アンギラ・カラス」。
これは一言で言うと、「口の大きさを自由に変えられる、巨大なペンチ」だと思えばいいよ



どんなときに使うの?

水回りで使うと気が多いかな。
水回りの部品は、普通のペンチでは絶対に挟めないような「太いパイプ」や「大きなナット」だらけなんだ。
このアンギラのすごいところは、口の開き具合をカチカチっと何段階も変えられることなんだよ。

相手の太さに合わせて、自分の口の大きさを変えるんだわん!

そういうこと!
しかも、持ち手が長いから「テコの原理」ですごく強い力が出るんだ。
素手じゃびくともしない固着したものでも、これを使えば「ググッ……バキッ!」と回せることが多いよ。

ただ一つ、アンギラには、滑らないように鋭い「ギザギザの歯」がついている。だから、力いっぱい回すと相手に噛み跡(傷)がついちゃうんだ。
見える場所のピカピカな部品には、布を一枚かませるか、別の道具(後述するモンキーレンチなど)を使うのがおすすめかな。
5. 検電器(ペンタイプ)


これは「命を守る道具」だから、絶対に自分専用を持ってほしい。

命を守る……そんなに大事なの?

電気って目に見える?

見えないわん。触ったらビリビリして危ないのは知ってるけど、見た目は普通の電線と変わらないわん。

そこが怖いところなんだ。
例えば、照明器具を交換しようとしてスイッチを切ったとするよね。
でも、誰かが間違えて別のスイッチを入れていたり、配線が壊れていたりして、実はまだ電気が流れたまま(活線状態)になっていることがあるんだ。

ひえぇ! 知らずに触ったらビリビリになっちゃうわん!

恐ろしいよね。
そんな時、作業をする前にこの検電器を電線やコンセントに近づけるんだ。
もし電気が来ていたら、先端が赤く光ったり「ピピピピッ!」と大きな音を立てて警告してくれるんだよ。

触る前に教えてくれるんだわん! まさに「命の守護神」だわん。

電気は怖い。
だから、「スイッチを切ったから大丈夫」という言葉を簡単に鵜吞みにせずに、
作業前に必ず自分の検電器でチェックするんだ。
【重要度:★★☆】作業の質を上げる便利工具

三ツ星の工具だけで結構お腹いっぱいだわん……。

ははは。でも、この二ツ星ツールがあれば、作業の質がぐんと上がるんだ。
6. ニッパー


ペンチでも線は切れるけど、ニッパーは「切り口」が違うよ。

どんなときに使うのかな?

細い線や紐を切ったりするのに使えるけど、一番多いのは、配線をまとめる「結束バンド(インシュロック)」を切る時だね。

あ、あのプラスチックのギザギザしたベルトだわん!
余った部分を切り落とす時に使うんだね。

ペンチで切ると、切り口が数ミリ残って、そこがトゲみたいに尖っちゃうんだ。でもニッパーなら、根元のギリギリを「平ら(面一:つらいち)」に切れるんだよ。


切り口が平らだと、何かいいことがあるの?

これがすごく大事なんだ。
もし尖った切り口が残っていると、次にそこを掃除したり点検したりする人が、腕をこすった時に切り傷を作っちゃうことがあるんだよ。

ひえぇ!そんなところで誰かが怪我をするなんて怖いわん!

だから、ニッパーで綺麗に切るのは、「思いやり」なんだ。
7. ラジオペンチ


ビル天さん、この先っぽが細長いペンチは何だわん?
なんだかひょろひょろしてて、普通のペンチに比べたら力が入らなさそうだわん。

ははは、確かにパワーでは普通のペンチに負けるね。
でも、このラジオペンチ(通称:ラジペン)は、パワーじゃなくて「精密さと器用さ」で勝負する道具なんだ

精密さ? ビルメンってそんなに細かい作業もするのかわん?

もちろんだよ。例えば、こんな場面を想像してごらん。
- 細いバネを引っ掛けたり、小さな金具を曲げたりする時
- 機械の奥まった狭い隙間に、小さなネジを落としちゃった時
- 複雑な配線が詰まっている盤の中で、特定の1本だけを摘み上げたい時

あ!普通のペンチの太い先っぽじゃ、そんな狭いところには入らないわん!

その通り。いわば「指が入らない場所で使う、強靭なピンセット」だね。
ビルの中にある機械や電気の設備は、中身がギッシリ詰まっていることが多いんだ。
そんな時、この細長い鼻先が「あと数センチ」の場所に届いて、トラブルを解決してくれるんだよ。
8. モンキーレンチ


ビル天さん、次はおサルの名前がついた道具だわん!!!
これ、見た目はアンギラに似てるけど、口のところが平らだわん。
ギザギザがないけど、滑ったりしないのかわん?

いい質問だね、ビル犬くん!
実はその「平ら」なのがモンキーレンチの一番のポイントなんだ。
アンギラが「牙で噛みつく道具」だとしたら、モンキーは「手のひらでガッチリ挟み込む道具」だね。

手のひらで挟む?なんだか優しそうだわん。

アンギラはギザギザの歯があるから、回したあとに「噛み跡(傷)」が残っちゃうでしょ?
でも、モンキーは平らな面でボルトやナットをピタッと挟み込むから、相手を傷つけずに回すことができるんだ。

なるほど!
お客様が見る場所のピカピカな蛇口とか、大事な機械のボルトは、傷つけたら大変だもんね。

そういうこと。
ビルメンは「直せばいい」だけじゃなくて、「建物を綺麗に保つ」のも仕事だからね。
あと、モンキーはネジ(ウォーム)を回して、口の幅をミリ単位でピッタリ調整できる。
隙間なく密着させるから、強い力で締めたい時も滑りにくいんだよ。
9. コンベックス(メジャー)


ビルメンにとってコンベックスは、「ミスのない買い物と、正確な報告」をするための重要なツールなんだ。。

ミスのない買い物?

例えば、古い照明器具が壊れて、新しいものに交換することになったとするよね。

天井に空いている穴のサイズや、器具を止めるネジとネジの間の長さは、種類によってバラバラなんだ。
もし測らずに「形が似てるから大丈夫だろう」と新しい器具を買って、いざ付けようとした時に「天井の穴より器具が小さくて隙間が見えちゃう!」なんてことになったら……?

うわぁ……カッコ悪いし、やり直しだわん!

だからコンベックスの出番。
古い器具を外す前に、器具の縦・横の長さ、ネジの位置をミリ単位でピシッと測る。
その数字と、新しい器具の図面を見比べて「よし、これならピッタリ隠れるし、ネジも止まる!」と確認するんだ。
10.携帯ライト(ハンドライト)

ビル天さん、この手に持つタイプのライトは何のために持っておくんだわん?
部屋の電気をつければ、十分明るいと思うわん!

ビル犬くん、建物の「表側」は明るいけど、僕たちが守る「裏側」は、昼間でも光が一切届かない場所だらけなんだ。

裏側……? どんな場所だわん?

例えば、大きな機械の裏側、配管が何本も重なっている隙間、壁の中を通る縦の穴。
そこは部屋の電気をつけても、影になっていて「真っ暗な闇」なんだよ。

暗いと、何か困ることがあるのかわん?

大ありだよ! その暗闇の奥で、配管から水がポタポタ漏れていたり、小さなネジが緩んでガタガタ震えていたりする。
光が届かない場所は、「建物の病気」が隠れやすい場所なんだ。

隠れている病気を見つけるために、ライトが必要なんだわん!

その通り。
携帯ライトをサッと取り出して、暗闇に「光の矢」を放つ。
そうすると、水漏れのキラキラした反射や、わずかなサビの色が見えてくる。
ささいな異変を見逃さず、トラブルを未然もしくは最小限に防ぐのがビルメンの仕事なんだよ。

スマホのライトでもいいわん?

スマホのライトでも代用はできるけど、専用のライトなら片手でパッと点けられるし、光が一点に集中するから、深い隙間の奥までよく見えるんだよ。
できれば携帯ライトを買うことをおすすめするよ。
【重要度:★☆☆】現場の状況に応じて買い足すべし

これ以上は腰が重くて動けないわん……。

あはは。星一つのものは、会社の工具箱にあるか確認してからで大丈夫だよ。
11. 六角棒レンチセット


ビル天さん、この「L字型の棒」は何だわん? 先っぽがカクカクしてて、なんだか地味だわん……。

「六角レンチ」だね。
プラスネジよりも「強い力」で締め付けられるから、ガッチリ固定したい場所に使われるんだ。
あとね、わざと六角ネジにすることで、「普通のドライバーしか持っていない一般の人が、勝手に開けられないようにしている」という防犯的な意味もあるよ。

なるほど! 「ここから先はプロの領域だわん!」っていう印なんだね。

そういうこと。
ビルメンが持つなら、バラバラのやつじゃなくて、ナイフみたいに束になっている「セットタイプ」が便利だよ。
いろんなサイズがあるから、1つ持っておけばどんな現場でも「どのサイズかな?」って試しながら作業できるからね。
12. LEDヘッドライト


ビル天さん、この頭に巻くライトは何だわん?
さっきの手で持つ懐中電灯(ハンドライト)があれば十分じゃないのかわん?

ビルメンの仕事現場を想像してごらん。
天井裏、地下の配管ピット、機器の裏側……そこは「お昼間でも真っ暗闇」

しかも、その暗闇で僕たちは何をする?
ネジを回したり、重い蓋を開けたり、電線を繋いだりするよね。
片手で懐中電灯を持っていたら、「片手しか使えない」ことになっちゃう。

あっ! 道具を使うには両手が必要だわん!

ヘッドライトの最大のメリットは、「自分の見ている方向を照らしながら、両手を自由に使えること」なんだ。
これがあるから、暗い天井裏でも安全に、正確に作業ができるんだよ。
ビル天流:失敗しない工具選びのコツ

優先順位がよく分かったわん!さっそくホームセンターに行ってくる!

待ってビル犬くん!最後に、ビルメンとして後悔しない買い方のコツを教えるよ。
1. 100円ショップは避ける

悪いことは言わない。力を入れた瞬間に折れたり、ネジをなめたりして、逆に高くつくことになる。

安物買いの銭失い、だわん。

その通り。ホームセンターの「電工コーナー」にある1,000円〜2,000円前後のメーカー品(ベッセル、フジ矢、エンジニアなど)を選べば、10年以上使えるよ。
2. 「重さ」との戦い

工具を全部腰に下げると、腰痛の原因になる。

それは怖い……。

星三つの「神器」だけを腰袋に入れて、あとはツールバッグに入れて持ち歩くのが、長く続けるコツだよ。
3. 必ず名前を書く

現場ではみんな似たような工具を使っている。

「僕のペンチがない!」ってなっちゃうわん。

自分の工具が無くなるならまだいい。
自分の工具を「それは俺のじゃないか?」なんて変に疑われたりしたら?

疑われるなんて最悪な気分になるわん・・・
そんな人とも一緒に作業したくないわん・・・

無用なトラブルはできるだけ避けた方がいいよね。
マジックで書くだけじゃなくて、リューター(彫刻機)で名前を彫っておくビルメンもいるよ。
結び:道具はビルメンの「誇り」だわん!

ビル天さん、ありがとう!まずはプラス・マイナスのドライバー、アンギラ、ペンチ、そして検電器から揃えてみるわん。

いいね。自分の道具をメンテナンスしていると、自然と建物の設備のことも大切に思えてくる。それが「一流のビルメン」への第一歩だよ。

よーし、まずはピカピカの腰袋と工具を買って、明日から現場を走り回るわん!

応援してるよ、ビル犬くん!


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